日本一の巨大城郭、川を制した徳川家の居城
江戸城 百人番所
江戸城 百人番所

目次

江戸城の見どころとイベント

江戸城 二重橋
江戸城 二重橋
江戸城 柳ノ井(桜田濠)
江戸城 柳ノ井(桜田濠)
江戸城 平川門(虎口内部からみた)
江戸城 平川門(虎口内部からみた)
江戸城には、城の魅力、すべてが詰まっていると言っても過言ではありません。
石垣や土塁、堀や濠でつくられた見事な城郭。巨大な櫓門や櫓や当時の行政庁施設の番所といった建築物。
城内の庭園に城外の大名庭園、そして城下近くの菩提寺。
さらには当時の街づくりを知る貴重な治水や防火、学問施設や国防施設など、
250有余年の安定した治政を行ってきた歴史とその由来を示す地名がいたるところに存在します。
全て江戸城は、本丸・二ノ丸・三ノ丸に加え、西ノ丸・西ノ丸下・吹上・北ノ丸の周囲16kmにおよぶ区画を本城としてその周辺を内堀で囲んでいます。さらにその周囲に外郭を配して町人町を整備し外堀や川で囲むという前例のない巨大な総構えの城でした。
本丸・二ノ丸・三ノ丸の本城を一つの郭とし、その西側に西ノ丸が別郭として造られている一城別郭構造は熊本城を含むごく一部の城にしか採用されていない珍しいもので、本城は関東の城では小田原城と江戸城にしかない総石垣づくりです。西ノ丸、吹上、外郭は関東では多くの城が採用する土塁構造になっており、半蔵濠から見える吹上土塁の巨大さはまさに圧巻です。
現在の江戸城は、本丸・二ノ丸・三ノ丸、西の丸下及び北ノ丸の各郭が一般公開されていますが、紅葉山、西ノ丸、吹上は宮内庁の施設や天皇の住まいとなっており、一般には立ち入りできません。
江戸の町は、「火事と喧嘩は江戸の華」と呼ばれるくらい火事が多く、小さいものを含めると約2,3年に1度は火事が発生したようです。特に、明暦の大火・明和の大火・文化の大火は規模が大きく、その度に、貴重な文化財が延焼してきました。さらに明治から昭和にかけて関東大震災や第二次世界大戦時の東京大空襲にも見舞われ、江戸時代から現存する建築物は極めて少なく、江戸城内郭、外郭の濠や石垣以外では桜田門、田安門、清水門のみとなります。(3つの門とも国の重要文化財に指定されています。)
また関東大震災後、木造再建した建物として富士見櫓や伏見櫓・多聞櫓、桜田巽櫓、同心番所、百人番所、大番所があり、1968年(昭和43年)には二ノ丸跡を小堀遠州の回遊式庭園に復元し、吹上にあった諏訪の茶屋を移築しています。
江戸の街並みは今もその地名に息づき、再開発を通じて現在のたたずまいと融合しながら脈々と引き継がれています。
城の北東には寛永寺、西側には増上寺と徳川将軍家代々の菩提寺、城の南西には、浜離宮や芝離宮といった徳川家や譜代家臣の大久保家の大名庭園もあります。
バス観光や江戸の町を散策するコースも整備され、東京国立博物館、江戸東京博物館には当時を感じさせる貴重な展示物が飾られています。四季折々、日本の政治・経済・文化の中心として発展してきた江戸をぜひ体験してみてください。

江戸城へのアクセス方法

飛行機で行く場合

羽田空港から首都高速湾岸線、首都高速都心環状線を使って車で約20分
成田空港から東関東自動車道、京葉道路を使って車で約55分

▼レンタカーは以下
羽田空港の場合
・トヨタレンタカー羽田空港第1ビル受付カウンター TEL:03-3744-0100
 (第1旅客ターミナルビル1階 北ウィング到着口6番出口横)
・日産レンタカー 羽田空港第2ターミナルカウンター店 TEL:03-6428-9123
・タイムズカー 羽田空港第1ターミナルカウンター店 TEL:03-3745-2822
 (第1旅客ターミナルビル1F南ウィング)
成田空港の場合
・トヨタレンタカー 成田空港店 TEL:0476-32-1020
・日産レンタカー 成田空港店 TEL:0476-33-8623
・ニッポンレンタカー成田空港第1ターミナルカウンター TEL:0476-32-6919
・ニッポンレンタカー 成田空港第2ターミナルカウンター TEL:0476-34-9919
・オリックスレンタカー 成田空港店 TEL:0476-40-5885

▼バスで行かれる場合
羽田空港の場合
羽田空港から高速バス東京行は2022年4月現在運休しております。
電車又はモノレールをお使いいただくと便利です。
・京急羽田空港第3ターミナルから京急品川駅まで約13分)、
 品川駅でJRに乗り換えて東京駅まで(約7分)
・モノレール羽田空港第1ターミナル駅から浜松町(約26分)、
 浜松町駅でJRに乗り換えて東京駅まで(約5分)
成田空港の場合
 成田空港からリムジンバスでJR東京駅(約1時間10分)
 時刻表は以下です。
 https://tyo-nrt.com/timetable/to-tokyo
 東京駅から徒歩10分で江戸城大手門前です。

新幹線・電車で行く場合

【新幹線・電車で行く場合】
 東海道新幹線:JR東京下車
 JR東京駅から徒歩約10分で江戸城大手門に到着。

車で行く場合

羽田空港から首都高速湾岸線、首都高速都心環状線を使って車で約20分
成田空港から東関東自動車道、京葉道路を使って車で約55分
■江戸城跡、カーナビの登録は以下の情報で!
住所:〒100-8111 東京都千代田区千代田1−1

駐車場

北の丸第二駐車場
住所: 東京都千代田区北の丸公園2-1
駐車台数:103台
営業時間:8:30~22:00

江戸城、最寄りの場所からのアクセス方法

江戸城は、別名「江城」や「千代田城」と呼ばれる、現在の東京都中央区・千代田区・港区にあった輪郭式平城あるいは平山城で、城郭の規模で日本一の大きさを誇りました。江戸城の敷地は、郭周囲約15.7km・東西約5.45km・南北約3.82km・面積約2,082haで、二番目に大きい大阪城の約5倍の大きさです。
江戸城の城郭は日本一巨大です。そのため、すべてを見るには1日は必要です。
最寄りの駅も見るエリアによりJR東京駅、地下鉄東西線「竹橋」「九段下町」地下鉄有楽町線「桜田門」地下鉄半蔵門線「九段下」「半蔵門」と異なります。
そこでまずは、軍事施設的な意味合いが強い内郭のみに絞り、見学可能エリアと天皇の住まいを含めた宮内庁エリアに分けて建造物と見るべきポイントを、その次に外郭を巡る一円の地名を巡りながら紹介いたします。

江戸城を知る ― 見学可能エリア(江戸城の本丸、二ノ丸、三ノ丸、北ノ丸、西ノ丸下)

本丸

江戸城 乾濠(三日月濠)
江戸城 乾濠(三日月濠)
江戸城 白鳥濠と本丸石垣
江戸城 白鳥濠と本丸石垣
江戸城 天守台入口
江戸城 天守台入口
北から西に平川濠、三日月濠、蓮池濠に囲まれ、二の丸との間に白鳥濠を配した本城西側の一帯が本丸にあたります。
江戸幕府、徳川家の中心地で、大天守を一番北に、南側に本丸大奥、中奥、表と御殿が並んだ空間で日本の政治が行われてきました。
現在は皇居東御苑として一般公開されており、当時の建物は現存していませんが、富士見多門櫓、石室、天守台など当時の遺構が垣間見えます。
(当時の本丸御殿の様子は江戸東京博物館で確認できます)

二の丸、三の丸

江戸城 二ノ丸入口
江戸城 二ノ丸入口
江戸城 二の丸
江戸城 二の丸
家康が入城した当初は、屋敷地で本丸の帯曲輪的な役割でしたが、慶長期の普請にて中門が置かれ、寛永期の普請にて二ノ丸御殿が建造されて政務所の拡張が行われました。

三の丸

江戸城 大手門
江戸城 大手門
家康入城時は日比谷の入り江があり、城の外郭として船着き場もあったといわれています。何度かの城普請で拡張し、三ノ丸となったあとは大手門が移り、登城してくる大名の家臣控え場となりました。

北の丸

江戸城 北の丸公園内 中の池
江戸城 北の丸公園内 中の池
元々は城外で築土神社がありましたが、その後徳川本家筋の屋敷地になり、徳川吉宗の時代から徳川御三卿の田安家(田安徳川家)、清水家(清水徳川家)の屋敷地として活用されるようになりました。現在の田安門から西側が田安家屋敷地、東側が清水家屋敷地となっています。
現在は、北の丸公園として整備され、武道館や科学技術館などの施設があります。

西の丸下

江戸城 和田倉跡
江戸城 和田倉跡
江戸城 桜田門と桜田門橋
江戸城 桜田門と桜田門橋
三ノ丸と西ノ丸の南側をつなぐように配置された郭で、元々は日比谷の入り江となっていました。当初は荷揚げ場や人寄せ場などがあり、関東上総の押え本多忠勝の屋敷や安房の里見氏の屋敷がありました。郭北にある和田倉門、和田倉濠という地名は当時の倉庫街だった名残と考えられます。郭南西には桜田門と桜田門櫓が現存しています。

宮内庁エリア

江戸城 西の丸の石垣
江戸城 西の丸の石垣
江戸城 半蔵濠と吹上の土塁
江戸城 半蔵濠と吹上の土塁
本来は北の丸以外、上記本丸、二ノ丸など含め皇居エリアと呼ぶのがふさわしいのかもしれませんが、本記事では一般公開により城の内郭遺構を確認できる、できないを前提にエリアを切っています。その中で、一般公開していないエリアを便宜上宮内庁エリアといい、西の丸、紅葉山、吹上の郭に関して紹介していきます。

西ノ丸

江戸城 坂下門
江戸城 坂下門
江戸城 二重橋と伏見櫓
江戸城 二重橋と伏見櫓
家康入城直後は田圃が広がるのどかな場所だったようですが、1592年(文禄元年)頃から拡張工事を始め、当初は自身や将軍の隠居場としてつくられました。西ノ丸には上道灌濠、下道灌濠など太田道灌当初の城の遺構も残ります。また、坂下門、伏見櫓があり、西の丸下の西の丸大手門に向かう橋から見える鉄門と伏見櫓の姿は江戸城一番のビュースポットにもなっています。

紅葉山

江戸城内郭で一番高い場所にあり、以前は日枝神社がここにありました。開幕前は一般の方々も参拝できたようです。その後は東照宮や各将軍の霊廟が建てられています。

吹上(吹上御苑)

江戸城 半蔵濠
江戸城 半蔵濠
江戸城 半蔵門に向かう橋と濠
江戸城 半蔵門に向かう橋と濠
吹上は道灌濠と半蔵濠に囲まれた一帯で、江戸時代には徳川御三家の屋敷があった場所です。明治維新後、一時荒廃が進みましたが、庭園やゴルフ場として整備されました。昭和天皇がゴルフ場を止め、自然をそのまま残すよう希望されたことで、以後森林形成がされていきました。現在では、スダジイ、アカガシ、アズマシライトソウ、カモメギクなど希少な樹木が生い茂る場所となっています。

外郭エリアについて

前述のように、江戸城は内郭と外郭を有した総構えの城でした。
総構えとは、城の中に武家屋敷はもちろん、商人や職人といった町人の住まいをも取り込んだ城郭のことで、江戸城は内郭と外郭を大きな濠や川で仕切られており、総構えの城としては小田原城が有名です。後に小田原城を拠点とする北条氏の開祖で、元祖戦国武将と呼ばれる北条早雲(伊勢宗瑞)は、元々室町幕府政所(現在の財務省)の長を代々務める一族であり、軍事拠点としての城の役目だけでなく、政治、文化、庶民を治めるための城の在り方を熟知した武将でもありました。そのDNAは北条家から徳川家に治政替えが進んでも引き継がれていったようです。総構えは単に軍事的な意味合いだけでなく、江戸の町における行政の貴重な示唆であるかもしれません。今回は、内郭エリアを囲む部分と外郭エリアを囲む部分を、海の接点から順に右周り(時計回り)で紹介していきます。

内郭を囲むエリア

江戸城 半蔵門
江戸城 半蔵門
江戸城 田安門(北の丸内部から見た)
江戸城 田安門(北の丸内部から見た)
江戸城 清水門
江戸城 清水門
日比谷門(日比谷入り江)からはじまり
桜田門→半蔵門→田安門→清水門→一橋門→神田橋門→常盤橋門→呉服橋門→鍛冶橋門→数寄屋橋門→日比谷門
となります。

外郭を囲むエリア

浜御殿(旧芝離宮恩賜庭園)→御成門→虎ノ門→溜池→山王権現→赤坂門→四谷門→市ヶ谷門→牛込門→神田上水→小石川門→水道橋→萬世橋→浅草橋→両国橋→大橋→永代橋

2-1が外郭エリアとなり庶民の住まい中心に区画されていたと考えられます。
東京にお住まい、お勤めの方は元々の江戸城の大きさが改めて実感できるのではないでしょうか。

おすすめの記事

おすすめの動画

おすすめの書籍